色彩・素材

素材

本体を構成する材料

看板に使用する素材には条件などによって異なるものの、平均的な耐用年数があり、一般的には木は100年、石は300年、コンクリートは50年と言われています。

伝統的な看板は、木材を使用して作られていました。

木材は、水分が多く含まれていると乾燥に伴い収縮や変形が起こるため、長期間日陰に保管し乾燥させる必要があります。

木材を使用した看板を清掃する際には、水を使わず、はたきや柔らかいブラシ等を用います。汚れがひどいものは、中性洗剤を水で薄めて使用し、すぐに乾いた布等で拭き取ります。

看板の表示面にはアクリル樹脂が良く使われています。アクリル樹脂はMMAモノマーを固めて作ります。MMAモノマーの製造には石油ナフサを原料とする製法があります。

ポリカーボネートは衝撃と熱に強い樹脂ですが、装飾用のマーキングシートを貼ると、シートに気泡が現れやすくマーキングシートを貼る材料には不向きと言えます。

LEDを光源に使用した看板を作る際、表示面に使用する材料にアクリル導光板があります。光源を板材の側面に設置し、表面を発光させる素材です。

樹脂板の下に蛍光灯などの光源を設置し、マーキングフィルムを貼った板の表面を明るく光らせる内照式の看板には、フィルムの発色が良く光の透過が良い乳白色半透明(乳半)の素材が良く使用されます。

樹脂版や板材の寸法の規格に「サブロク」があり、900mm×1,800mmのサイズを指しています。これは尺貫法を語源とする表現で、3尺×6尺を表します。尺貫法では、1尺=303mm、1寸=30.3mmです。

金属は看板や標識に最も多く使用されている素材です。錆びにくいアルミニウムやステンレスは良く使用されている金属素材です。

ステンレス鋼材の代表的なものに「SUS 304」があります(JIS規格ではステンレス鋼材の材料記号をSUSと書きます。)。これは、鉄にクロムを18~20%までの間で加え、錆びにくくしたものです。

アルミニウムやステンレスは表面に一方向に向かって髪の毛のような細い傷を付け、つやのない仕上げをすることがありますが、これをヘアライン加工Hairline(Finish)と呼び、設計図などではHLの略号で示します。

アルミやステンレス等に浮彫を作成する時に使用する方法に、エッチングがあります。これは、金属を、特殊な薬品により腐食させることで凹ませる手法です。

錆びにくいと言われているステンレスでも、異種金属の接触によって腐食(電食)することがあり、この現象をガルバニック腐食(galvanic corrosion)と呼びます。

 

照明・電気材料

電気用品を使用するために必要な交流電源はプラスとマイナスの間で入れ替わり、その回数を電源周波数と呼び、関東で50Hz、関西で60Hzと地域で異なる周波数になっています。

一般的に看板を発光させるためには、ガラスを主な材料としたネオン管や、家庭等で使用されている蛍光灯が使用されています。

最近普及しているLED(Light Emitting Diode)は、同じ明るさのLEDと電球を比較した場合、LEDは長期的にみると電気代が安価であり、電球は量販店で1個100円程度で手に入ることから、購入時の単価が安価であるといえます。

トンネル内に使用される照明にも変化があり、従来使用されていたナトリュームランプからLEDへの置き換えが進んでいます。

照明の明るさを表す物理量(測光量)には、光束、光度、輝度、照度があり、照度は物体の表面を照らす光の明るさを表しています。

明るさを表す単位には、光束にはルーメン(lm)、光度にはカンデラ(cd)、輝度にはカンデラ毎平方メートル(cd•m²)、照度にはルクス(lx)を使用します。

色温度は、光の色を物体の色で表現することです。赤みが強く暖かい感じの光を「色温度が低い」、青みが強く涼しい感じの光を「色温度が高い」と言います。これは、外部からの光エネルギーを完全に吸収し全てのエネルギーを100%放射するという理想的な物体(黒体)を熱していったときに赤→黄→白→青白と色が変化することを基礎においており、単位にはケルビン(K)が用いられます。

色彩

色彩には色相、明度、彩度という3つの属性があります。色相は、青、赤、黄などの色合いの違いのことで、色光は電磁波の波長によって菫から赤まで変化して見えることから色相の間に違いが生まれます。

明度は色の持つ明るさのことで、明るい色は明度が高い、暗い色は明度が低いといいます。また、彩度は色の持つ鮮やかさのことです。

色彩は、有彩色と無彩色に分かれます。白色から灰色を経て黒色までの色は無彩色と呼ばれ、色相と彩度の属性を持ちません。無彩色以外の色合いを持つ色彩は有彩色と言い、色相、明度、彩度の属性を持っています。

色彩には人間の心理に影響を与える効果があります。オレンジ色の系統は暖かく感じ(暖色)、青色の系統は冷たさを感じ(寒色)ます。

明るいものほど軽く、暗いものほど重い印象になる傾向があるため、上部を明るく、下部を暗くすると安定感を得られます。

また、明度が低い色ほど硬く、明度が高い色ほど柔らかい印象になります。

暖色や明度が高い色は大きく、前に進出しているように見え、寒色や明度が低い色は小さく、後退しているように見えます。このことから、碁石は白の方が黒より大きく見えるので、同じ大きさに見えるように、黒の方が少し大きくつくられています。

色には連想されるイメージがあり、下の表に示すような例があります。

色名ポジティブイメージネガティブイメージ
黄色希望、明朗野心、横暴
緑色休息、平和無難、安逸
青色沈静、理知冷淡、警戒
白色清純、明快冷酷、不信

様々な色彩を再現する際に最低限必要な色数は理論上は三色で、テレビなどのように光で色を作る際には光の三原色、プリンタなどのように色料で色を作る際には色料の三原色を使用します。

光の三原色は、赤(R)、緑(G)、青(B)、色料の三原色はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)で、それぞれ補色の関係にあります。

光の三原色を全て混ぜると明るくなり白に近づき、色料の三原色を全て混ぜると暗くなり黒に近づきます。光の色を混ぜる方法を加法混色、色料の色を混ぜる方法を減法混色と言います。

色料の三原色だけでは黒が正確に再現されないため、実際の印刷では三原色に黒が加わります。

景観との関係で看板に使用できる色が指定される場合がありますが、その際に使用されているのがマンセル表色系です。マンセル表色系は、色相(Hue)、明度(Value)、彩度(Chroma)で色を表現する体系です。

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